2009 Fiscal Year Annual Research Report
ポラリゼーションフリー高分解能テルル化カドミウム半導体放射線検出素子の開発
Project/Area Number |
21760051
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山里 将朗 University of the Ryukyus, 工学部, 准教授 (10322299)
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Keywords | 放射線 / X線 / 粒子線 / 電子デバイハ / 電子機器 / 電子材料 / 電気材料 |
Research Abstract |
1. CdTe表面及び電極-CdTe界面状態の解析. 電極を形成する前のCdTe結晶表面の状態分析を行った.そのため,有機洗浄前後の結晶表面の組成およびフェルミ準位を全反射光電子分光装置(TRXPS)を用いて調べた.また,ヘリウムプラズマ処理及び硫化アンモニウムによる硫黄処理前後の表面状態及び洗浄後に大気等に曝された場合の表面酸化層の形成など結晶表面状態を明らかにした.また,Alショットキー電極をCdTe結晶表面上に形成し,裏面にはPtオーミック電極を無電解メッキにより作製した.Alショットキー電極の作製には,電子ビーム蒸着とスパッタリング法を用い,それぞれの手法により作製したAl/CdTe/Ptショットキーダイオード素子の電気的特性と放射線検出特性の評価を行った.電気的特性は,Al/CdTe/Ptショットキーダイオード作製後にI-V特性を計測することで評価した.現在までの結果として,電子ビーム蒸着法では,Al電極が再現性良くCdTe表面へ堆積できるが,スパッタリング法では電極の一部が剥がれるなどの現象が確認されたため,その原因及び対策を検討中である.Heプラズマ処理及び硫黄処理を行った表面にAl電極を形成すると,良好な整流性が得られることを明らかにした.また.Tiショットキー電極の形成についても,現在引き続き実験及び分析を行っている.また,保護膜として用いる予定の非晶質炭素膜についてその電気特性と膜構造との関連を調べ論文として発表した. 2. 放射線検出特性の測定. 作製したAl/CdTe/Ptショットキーダイオードにおいて,^<241>Amからのγ線計測を行った.その結果,Heプラズマ処理及び硫黄処理を行った試料では,スペクトルの半値幅が2keV以下となり,高品質な放射線検出素子の作製に成功した.また,硫黄処理を行った試料では,時間経過と共に検出スペクトルが劣化するポラリゼーション現象が大幅に改善され,連続して20時間以上の計測ができることを明らかにした.しかし,1で調べた試料表面や電極界面状態と放射線検出特性との明確な関連はまだ見いだせておらず,現在引き続き分析を行っている.
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Research Products
(5 results)