2009 Fiscal Year Annual Research Report
コアジェル構造を利用した高効率色素増感太陽電池の作成
Project/Area Number |
21760055
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
シンディ バイシャリ National Institute for Materials Science, 若手国際研究センター, NIMSポスドク研究員 (20535645)
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Keywords | 色素増感太陽電池 / コアシェル構造 / 化学浴析出法 / ZnOナノロッド / TiO_2ナノ粒子 / ディップコーティング技術 |
Research Abstract |
太陽電池に利用できるZnOナノロッド/TiO_2ナノ粒子からなるコアシェル構造の作製を目的に、基板上に高アスペクト比のZnOナノロッドの作製に取り組んだ。マイクロ波を利用した化学浴析出法によって、ITOでコートされたガラス基板上にZnOナノ構造の作製を行った。析出条件を変えることで、特定の形やサイズを有し、しかも配列した均一性のあるナノ構造ができることが分かった。具体的には、電界槽のpH値で、ロッドがバンドル構造から先端の尖ったティップや平坦なティップ構造に変わること、また析出温度で、ZnOアレイのサイズが770nmから125nmまで変わることを見出した。pH=12で120℃の条件で作製したZnOナノロッドの透過電子顕微鏡(TEM)観察や局所電子線回折像から、ZnOはc軸に沿って成長することが分かった。また高解像度透過電子顕微鏡(HRTEM)観察によって、結晶構造に積層欠陥がないことも分かった。このことは個々のロッドの結晶性がよいことを示唆している。 ZnOナノロッドの析出条件の最適化ができたので、次にTiO_2膜をZnOナノロッドの上にコートする。そのために、まずガラス基板上にTiO_2を作製する条件の最適化を行った。TiO_2層はディップコーティング技術を使い作製し、ディッピング速度、基板取り出し速度、フィルムの乾燥速度を調整することでクラックのない膜を作製できた。X線回折から、膜はテトラゴナル構造のアナターゼからなることが分かった。TEM観察によって、膜は15-20nmのグレインからできていること、また明瞭な格子像が観察されたことから個々の粒子は高い結晶性を有していることが分かった。これでZnOナノロッド/TiO_2ナノ粒子からなるコアシェル構造をITO基板上に作製できたので、現在色素増感太陽電池としての計測を進めている。
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Research Products
(1 results)