2010 Fiscal Year Annual Research Report
コアジェル構造を利用した高効率色素増感太陽電池の作成
Project/Area Number |
21760055
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
シンディ バイシャリ 独立行政法人物質・材料研究機構, 若手国際研究センター, NIMSポスドク研究員 (20535645)
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Keywords | 色素増感太陽電池 / コアシエル構造 / 酸化亜鉛ナノロッド / 酸化チタンナノ粒子 |
Research Abstract |
ZnOとTiO_2のコアシェル構造を用いた高効率色素増感太陽電池について研究を行った。対象とするのは、ZnOナノロッドとTiO_2ナノ粒子を組み合わせた構造である。まず、マイクロ波を利用した化学浴析出法を用いて、ITO上に形成するZnOナノ構造について調べた。その結果、浴槽のpH値や析出温度によりナノ構造の制御ができること、浴槽のpH値が12で析出温度が120℃の場合に、最もサイズが小さく均一性の高いナノロッドができることが分かった。また構造評価によって、このZnOナノロッドはc軸に[0001]方向に成長し、積層欠陥がないことが分かった。次に、TiO_2をZnOナノロッド上にコーティングするために、ガラス基板を用いてTiO_2薄膜の形成について調べた。TiO_2膜はディップコーティング技術を利用して形成した。その結果、ディッピング速度やフィルムの乾燥条件などを制御することで、クラックのない厚さ約200nmの膜を得ることができた。構造評価から、TiO_2膜はテトラゴナル構造をしたアナターゼ相であり、膜は15-20nmの結晶状の粒からできていることが分かった。 以上の知見をもとに、ITO基板の上にZnOナノロッド/TiO_2ナノ粒子のコアシェル構造を有する色素増感太陽電池を作製した。色素が吸着したTiO_2ナノ粒子/ZnOナノロッドと対向電極をポリマーで分離し、電解液にはヨウ化リチウムを用いた。その結果、ZnOナノロッド/TiO_2電極は安定しており、3.2%の変換効率を得た。 次に、水熱法でTiO_2粒子の合成を行った。反応温度と時間を調整することで、色素増感太陽電池に適する大きさのアナターゼ相のTiO_2粒子を得た。これをZnOナノロッド上にスクリーン印刷で塗り、上記と同様のセル構造を有する色素増感太陽電池を作製した。効率は最大で約4%であった。さらに、直径5-7nm、長さ10-12nmの粉末状のZnOナノロッドを合成し、TiO_2粒子と混合したものをFTOガラス基板上に塗って太陽電池を作製した。現在色素増感太陽電池としての素子評価を進めている。
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Research Products
(2 results)