2010 Fiscal Year Annual Research Report
計算科学に現れる超大規模シフト線形方程式の高速・高精度解法に関する研究
Project/Area Number |
21760058
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
曽我部 知広 愛知県立大学, 情報科学部, 准教授 (30420368)
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Keywords | 数値解析 / 線形方程式 / シフト線形方程式 / クリロフ部分空間法 |
Research Abstract |
本研究では,我々が開発した複素対称線形方程式用の数値解法であるCOCR法と複素非対称線形方程式用の数値解法であるBiCR法を基礎として,大規模シフト線形方程式を解くための高性能な数値計算法を開発することを目的とし,本年度は以下の研究成果が得られた. (1)Shifted COCR法の開発:COCR法がシフト複素対称線形方程式用に拡張できることを理論的に検討した.具体的なアルゴリズムの設計については,残差ベクトル間の共線性という考え方に基づき導出を行った.さらに数値実験では,問題によってはCOCR法を用いるよりも約26倍高速であり,この数値解法の有用性を検証した. (2)IDR(s)法の改良:IDR(s)法は,(複素)非対称線形方程式を解くための優れた解法として近年国内外で注目を浴びている.しかしながらIDR(s)法は,問題によっては不規則な収束の振舞いを示すことがある.そこで我々は,準残差最小化に基づき収束の振舞いを改善する解法を開発した.数値実験により,本解法はIDR(s)法よりも滑らかな収束の振舞いを示すことが分かった. 上記の研究の他に,対称式に関する新しい性質を見出し,その応用としてVandermonde行列式と基本対称式との関連性やNewton-Girard公式の簡単な証明を与えた.
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Research Products
(3 results)