2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760139
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Research Institution | Numazu College of Technology |
Principal Investigator |
大庭 勝久 Numazu College of Technology, 電子制御工学科, 講師 (40321442)
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Keywords | 流体工学 / 環境流体力学 / 温度成層流 |
Research Abstract |
本研究では、1000K/mを超える強い安定成層下での円柱後流中に発生するカルマン渦に及ぼす浮力効果を明らかにすることを目的として、計測器の開発および実験を行った。その第一段階として、本年度は、冷熱二線式温度流速計における温度計測部と速度計測部の各種補償アルゴリズムをFPGA(Field Programmable Gate Array)によりデジタル化することでデジタル温度流速計を構築した。本研究では、完全並列処理が可能なFPGAを新たに採用したことにより、DSPやPC等によるデジタル計測では困難である2種物理量の厳密な相互補償系を実現することに成功したことが特徴である。温度計測部に関しては、センサの熱容量に起因する応答特性の劣化を補償するための位相補償が必要である。既に開発していた補償部にフィルタ係数を逐次更新させるアルゴリズムを追加実装することで、温度変動成分に対しても±0.13%以内で位相補償が可能であることが確認された。熱線流速計は流速および温度に対する感度特性を有するため、正確な温度情報に基づいた気流の温度補償系が必要となる。本研究では、完成した温度計測部を併用することで気流の温度補償系を実現した。気流流速U=2.0~4.0m/sの気流に対して、△○=0~40Kまで気流を加熱することで温度補償に関する検定試験を実施した。デジタル方式により、従来のアナログ計測器に比べてより正確な補償演算が可能になった結果、誤差±1.6%以内で加熱気流の加熱気流の流速情報が取得可能であることが示された。 今後は、数10~1500K/mの範囲で温度勾配を変化させた直線状温度分布を持つ強安定成層流中で、デジタル二線式温度流速計とI-X型プローブを用いて温度・速度変動および相関量を計測し、強安定成層流中における秩序渦の形成・崩壊過程を調べ、自由せん断流中での乱流生成や乱流輸送機構に及ぼす浮力効果の解析に取り組む予定である。
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