2010 Fiscal Year Annual Research Report
超流動ヘリウムの異相界面近傍に発生するマイクロ熱流動機構の解明
Project/Area Number |
21760148
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Research Institution | Akita National College of Technology |
Principal Investigator |
野澤 正和 秋田工業高等専門学校, 機械工学科, 講師 (60447183)
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Keywords | 可視化 / 熱工学 / 流体工学 / 低温工学 / 超流動 |
Research Abstract |
超流動ヘリウム(He II)中のマイクロスケールの熱流動状態、超流動乱流状態の解明、特に、沸騰膜等の相界面近傍における熱流動状態と高密度量子化渦挙動の関連性について明らかにする。具体的には、加熱によるHe II中への擾乱発生時における高精度の圧力・温度変動の計測及びシュリーレン・シャドウグラフ法の可視化手法を用いた、気液界面、またはHe I-He II界面の可視化観測を行う。特にHe I-He II界面の観測においては、僅かな密度変動を捉えるために、シュリーレン法を用いる。He II-ヘリウム蒸気またはHe II-He I-ヘリウム蒸気相界面での流体力学的安定性も考慮することで、熱流動状態および高密度量子化渦の発生から、それが発達し、流動・伝熱機構に及ぼす影響を明らかにする。本年度は、シュリーレン法可視化装置を購入し、蒸気膜界面近傍のHe IIのより詳細な挙動を捉えることを試みた。より詳細な蒸気膜挙動の観測により、飽和He II中で発生するノイジー膜沸騰、サイレント膜沸騰の界面挙動と沸騰状態の安定性について考察を行った。ノイジー膜沸騰、サイレント膜沸騰とも、He II温度の変化による蒸気膜の平均厚さの変化はほとんど見られなかった。一方、蒸気膜の平均厚さが減少するに従って、蒸気膜の挙動の周波数は増加傾向にあった。ノイジー膜沸騰の蒸気膜厚さがある臨界値を超えると、蒸気膜近傍の熱輸送のバランスが変化して、膜沸騰モードが変化し、もう一つの膜沸騰モードであるサイレント膜沸騰に変化すると考えられる。
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Research Products
(1 results)