2009 Fiscal Year Annual Research Report
固体高分子形燃料電池カソードにおける非白金触媒の開発
Project/Area Number |
21760154
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
千坂 光陽 Toyohashi University of Technology, 工学部, 助教 (20513310)
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Keywords | 固体高分子形燃料電池 / 酸素還元反応 / カソード触媒 / Vulcan XC-72 / 窒化処理 |
Research Abstract |
本年度は固体高分子形燃料電池カソードにおいて触媒担体として用いられているVulcan XC-72に着目し,アンモニア雰囲気下での熱処理条件が酸素還元反応(ORR)活性及び耐食性に与える影響を解明した.ORR活性は三電極セルにおけるサイクリックボルタモグラム測定により評価し,最高の活性を示したサンプルを用いて単セルにおける発電試験を行った.耐食性は単セルにおける加速劣化試験により評価した.加速劣化試験では,アノードに水素を,カソードに窒素を供給し,カソード電位を1.0-1.5V vs.NHEの範囲で5000サイクル走引した.走引速度は0.5V/sとした.またサンプルのC/N比をXPS測定結果より求めた.得られた主な知見は以下の2点である. 1. アンモニア雰囲気下での熱処理温度,熱処理時間の増加によりORR活性は向上し,C/N比は増加した.本実験条件では,200mL/minのアンモニアガスを供給しながら950℃で24時間熱処理を行った場合に最大0.7V vs.NHEのオンセット電位及び0.012のC/N比が得られた.単セルにおいても使用量の増加により電流密度が増加し,発電することが実証された. 2. 加速劣化試験前後のサイクリックボルタモグラムより,Vulcan XC-72に窒素をドープすることで酸化ピーク電流の増加率が約1/3程度に減少し,耐食性が向上した.
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