2011 Fiscal Year Annual Research Report
受動・能動ハイブリッド型歩行機能再建支援システムの開発
Project/Area Number |
21760184
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
河本 浩明 筑波大学, システム情報系, 助教 (00400713)
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Keywords | 人間支援型ロボット / ロボットスーツ / 医療・福祉 / 脳・神経 / リハビリテーション |
Research Abstract |
下肢の歩行障害をもつ方を対象に,人間と機械を一体化させ人間の身体機能を強化・拡張・補助するロボットスーツ HALの受動的動作(ロボット的自律制御)と能動的動作(随意制御)を活用し,脳の運動学習過程に立脚した歩行機能再建支援システムを開発することを目的とする. ロボットトスーツにおける人支援技術の意義は,人間の運動機能を補助・強化し,来たるべき超高齢社会での人々のQOLや我が国の生産能力の向上に貢献することである.ロボットスーツの制御機構の活用による歩行再建手法は脳機能の生理学的特性をロボット技術が効果的に引き出すことによって脳の機能再建を可能にするロボット技術の有用性を拓くものである. 最終年度となる当該年度は,これまでに開発してきた各素技術の問題点の抽出・改良,及び,安全を確認した後,対象患者に対する実証試験により,本システムの有用性の評価を実施した.実証試験では,試験プロトコルとして,運動障害を有する患者に対して,週2回,8週(計16回)をトレーニング期間とし,トレーニング期間前後の10m歩行テストによる歩行速度の変化を本歩行支援システムの有用性の評価項目として設定した.トレーニング期間中,前半に動作が困難な麻痺関節部に対して,ロボット的自律動作による受動的運動を適用し,トレーニング期間中後半から随意的な動作に基づく生体電位信号を活用した能動的動作による歩行訓練を実施した.実証試験の結果,どの被験者も歩行速度が向上し,歩行能力の改善が認められ,下肢の歩行障害をもつ方を対象とした本システムによる歩行機能再建の可能性が示された.今後は,本システムの効果が期待できる対象者の疾患を特定するための探索的研究を行った後,比較試験による有用性を実証していく.
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Research Products
(3 results)