2010 Fiscal Year Annual Research Report
極薄アルミナ絶縁ゲートを有する酸化亜鉛薄膜トランジスタの開発
Project/Area Number |
21760234
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
村中 司 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (20374788)
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Keywords | MBE,エピタキシャル / 半導体物性 / 表面・界面物性 / デバイス設計・製造プロセス / 薄膜トランジスタ |
Research Abstract |
平成22年度の『極薄アルミナ絶縁ゲートを有する酸化亜鉛薄膜トランジスタの開発』に関して得られた研究成果を以下にまとめる。 1.酸素プラズマを利用したAl薄膜の表面酸化処理による極薄膜Al_2O_3絶縁層形成手法を確立するため、Si基板上に真空蒸着法により形成したAl薄膜を準備し、基板温度50-450℃、RF出力400W、酸素流量0.8sccmの条件でプラズマ酸化を行い、Al_2O_3薄膜の形成を行った。光電子分光(XPS)法により表面組成分析、X線反射率(XRR)法により膜厚および表面・界面粗さ評価を行った結果、厚さ1-10nm程度のAl_2O_3極薄膜の形成が確認された。また、熱酸化プロセスにより形成したAl_2O_3極薄膜と比較した結果、酸素プラズマを利用することにより、効果的にAlの酸化プロセスが進行していることを確認した。絶縁特性に関しては、数nm~10nmクラスのAl_2O_3極薄膜でまだ改善の余地があり、今後、テンプレートとして使用している初期Al薄膜の平坦化プロセスの検討等を進める。 2.良好なトランジスタ特性を実現するため、チャネル層となるZnO薄膜の形成時に窒素(N)ドーパントの添加し、試作TFT素子の作製と評価を行った結果、安定した伝達特性が得られた。また、このプロセスにより、ZnO-TFT素子の閾値電圧の制御が可能となり、汎用回路の基本素子としては有望なノーマリー・オフ型の素子作製が可能となった。
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