2011 Fiscal Year Annual Research Report
情報埋め込み技術によるサブチャンネル伝送を利用した音声通信の高品質化に関する研究
Project/Area Number |
21760270
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
青木 直史 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (80322832)
|
Keywords | 音声処理 / 情報ハイディング / 情報埋め込み / ステガノグラフィ / 高付加価値通信 / IP電話 / パケット損失 / 帯域拡張 |
Research Abstract |
IP電話は,本来リアルタイム通信に不向きなベストエフォート型のIPネットワークにより音声通信を実現しているためパケットの欠落が原理的に不可避であり,こうしたエラーが音声データの正確な伝送を妨げ通話品質を低下させるという問題を抱えている.本研究では,こうしたエラー対策に焦点を当て,ステガノグラフィと呼ばれる情報埋め込み技術を応用することで,従来よりも優れた通話品質を提供する手法について検討してきた. 昨年度に引き続き,本年度は情報埋め込み技術の高度化について検討するとともに,音声データの広帯域化によるIP電話のハイファイ化について検討を行った.昨今,SkypeなどのIP電話サービスに代表されるように,ハイファイIP電話が次第に普及してきているが,こうしたアプリケーションに採用されている方法とは異なるアプローチとして,本研究では情報埋め込み技術を従来の信号処理手法と組み合わせることで,より効果的に音声データの広帯域化を実現できることを示し,実環境における提案手法の有効性について検討を行った. なお,情報埋め込み技術を適用すると本来の音声データを変化させてしまう可能性があり,これが雑音となって,場合によっては音声データの劣化を引き起こしてしまうという問題がある.そのため,本研究では電話の音声データの特徴に着目し,情報を埋め込んでも音声データの劣化がまったく生じないロスレス方式のステガノグラフィについて検討を行った.本年度は,新たにセミロスレス方式のステガノグラフィの可能性について検討した.
|
Research Products
(4 results)