2009 Fiscal Year Annual Research Report
新たな安定解析ツールによるロバスト制御系解析・設計および非線形制御系解析
Project/Area Number |
21760339
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
松田 忠典 Toyota Technological Institute, 大学院・工学研究科, PD研究員 (90508376)
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Keywords | ロバスト制御理論 / 構造化特異値 / 制御工学 / ロバスト安定性 / Stability Feeler / パラメータ空間 |
Research Abstract |
研究成果は、「交付中請書」の「研究の目的」「研究実施計画」欄に記した目的の一つである、構造化特異値μの新たな計算法を確立したことである。構造化特異値μは、制御システムのロバスト安定解析を行う際に有効である。 制御システムが「安定である」とは、制御システムの状態や出力が所望の値に収束することをいう。例えば、エアコンにより室温が所望の温度に保たれるとき、そのシステムは安定であるという。また、「ロバスト」は「剛健さ」 や「強さ」という意味があり、「ロバスト安定である」とは、多少環境が変化しても、安定であることを指す。上記のエアコンの例であれば、例えば室外からの熱や、部屋の中の人数などが変化しても室温が所望の温度に保たれれば、そのシステムはロバスト安定であるという。 もし制御システムがロバスト安定でないならば、その制御システムは、少し環境が変化しただけで望ましい動作をしなくなってしまう。したがって、制御システムがロバスト安定であることは極めて重要なことである。 構造化特異値μは、制御システムにおいて重要な性質である「ロバスト安定性」を調べるときに有効である。当該年度の研究では、Stability Feelerという新たな安定解析ツールを用いた構造化特異値μの新たな計算法を試し、以前の方法と計算時間の比較を行った。その成果を大阪で行われた第38回制御理論シンポジウムと、米国で行われた国際会議IASTED ISC2009で発表した。これにより、制御システムにおいて重要な「ロバスト安定性」の理論の分野に寄与した。 なお、「交付申請書」の「研究の目的」「研究実施計画」欄に記したもう一つの目的である「ロバスト安定な行列システム・切り替えシステムの設計」については、現在国際会議発表のための論文を投稿中である。
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Research Products
(5 results)