2010 Fiscal Year Annual Research Report
新たな安定解析ツールによるロバスト制御系解析・設計および非線形制御系解析
Project/Area Number |
21760339
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
松田 忠典 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, PD研究員 (90508376)
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Keywords | ロバスト制御理論 / 構造化特異値 / 制御工学 / ロバスト安定性 / Stability Feeler / パラメータ空間 / 状態空間モデル / システム行列 |
Research Abstract |
当該年度に実施した研究の成果は、大きく分けて二つある。一つは、交付申請書の「研究の目的」、「研究実施計画」欄に記した構造化特異値の計算法の確立に関するもの、もう一つは、同じく交付申請書に記したロバスト安定な行列システム設計に関するものである。 研究成果の具体的な内容は以下の通りである。構造化特異値に関しては、本研究で前年度までに得られた成果を、既存の手法との比較を加えることにより発展させ、論文の形にまとめた。この論文はシステム制御情報学会論文誌に査読付論文として掲載された。行列システム設計については、システム行列が不確かなパラメータを含んでいるとき、そのシステムが安定となるようなパラメータの範囲を導出する新たな手法を提案した。この成果を国際会議 SICE2010 Annual Conferenceと第39回制御理論シンポジウムで発表した。また、Workshop on Recent Advances in Control and Roboticsでの招待講演では、構造化特異値、行列システム設計を含むロバスト安定性に関する発表を行った。 本研究の重要な点は、上記二つの成果が制御システムのロバスト安定性に関する成果であるということである。前年度の研究実績報告書でも述べたように、制御システムがロバスト安定でない場合は、環境が少し変化しただけで望ましい動作をしなくなってしまう。したがって、制御システムのロバスト安定性を調べること、また、ロバスト安定となるような制御システムを設計することは極めて重要なことである。 本研究の意義は、制御システムのロバスト安定性を調べるための新たな手法を与え、またロバスト安定となるような制御システムを設計するための新たな手法を与えたことにより、制御システムにおいて重要な性質であるロバスト安定性の理論の分野に寄与したことである。
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Research Products
(6 results)