2010 Fiscal Year Annual Research Report
新しい波動解析手法による非線形超音波法特性の解明に関する研究
Project/Area Number |
21760352
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
斎藤 隆泰 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教 (00535114)
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Keywords | 境界要素法 / 時間領域 / 超音波非破壊評価 / 非線形超音波法 |
Research Abstract |
土木構造物や原子力機器等の維持管理のために、超音波非破壊評価手法が広く利用されている。しかしながら、従来用いられてきた線形な超音波非破壊評価法では、閉じたき裂や異種材料接合界面における微少剥離といった欠陥を検出することができない。そのため、現在そのような線形超音波非破壊評価法では評価することのできない欠陥を検出することが期待できる非線形超音波非破壊評価法が注目を集めている。非線形超音波法では、従来の方法と異なり、欠陥からの反射波ではなく、透過波に含まれる高調波や分調波を利用することで欠陥の有無を評価するが、特に分調波の発生メカニズムについては未だ解明されていない。そのため、分調波の発生メカニズムを明らかにすることは定量的な非線形超音波非破壊評価法を確立する上で非常に重要である。 申請者は、このような研究意義、重要性に基づき、平成22年度は、平成21年度に開発した境界要素法を用いた安定な時間領域弾性波動解析手法を用いて分調波のシミュレーションを行い、その発生メカニズムについて検討した。対象とした欠陥は、アルミニウムと鋼材から成る異種材料接合部に発生しているき裂とし、それぞれの材料は線形弾性体として扱った。ただし、き裂欠陥に対して考慮する境界条件として、接触面が固着した状態(stick状態)、界面の滑りを許容した状態(slip状態)、界面が開口している状態(separation状態)の3種類を仮定した。き裂面に対して超音波を垂直に入射させた場合に、き裂の開閉口に応じた一部の条件下で分調波が発生することを明らかにした。
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