2009 Fiscal Year Annual Research Report
3次元性に着目した透過および不透過水制域における流れと土砂輸送機構に関する研究
Project/Area Number |
21760383
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤堀 良介 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教 (50452503)
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Keywords | 水制 / 浮遊砂 / LES / 粒子的手法 / 数値計算 / PIV |
Research Abstract |
本年度は,1) 越流時の単一不透過水制周りの流れを対象とした実験,2) 透過水制群における流れ場および浮遊砂輸送に関する実験,3) 透過水制群周辺の流れ場に対する基礎的な粒子的手法による浮遊砂輸送モデルの構築という3点を中心として研究を行った.1) の単一不透過水制の越流に関する実験では,数値計算結果との比較を行うことで,越流時には水制天端周辺の水深において水平面上のせん断面が生じることにより,非越流時とは異なる複雑な流れ場が出現していることが確認された.また,水平面上のPIVの適用に関して予備的実験を行い,横断方向からのレーザー照射による平面2次元でのPIV計測が,対象とする水域でも適用可能であることが確認された.2) の透過水制群に対しての実験では,流れ場の構造は水制設置間隔と水制長から決まるアスペクト比に依存せず,流速低減に関する遷移域(せん断面主流域側に存在する2次流に代表的される)と平衡領域(せん断面上の水平渦とリブ構造に代表される)との間に大きな差が存在することが確認された.また浮遊砂濃度分布は,水制設置域では一様に低下し,水制のない主流域側では流下方向に一様であることが確認された.3) の浮遊砂輸送モデルの構築に関しては,透過水制のもたらす格子乱流的な小規模な乱れが浮遊砂粒子の拡散に大きく影響を及ぼし,渦動粘性係数を局所的に異なる手法で評価することにより計算精度が向上することが確認された.
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