2011 Fiscal Year Annual Research Report
砂礫・石礫河川を対象とした平面2次元河床・流路変動解析モデルの開発
Project/Area Number |
21760388
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
重枝 未玲 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (70380730)
|
Keywords | 砂礫河川 / 石礫河川 / 河床変動 / 流路変動 / 平面2次元モデル / 交換層 / 粒度分布 / 数値解法 |
Research Abstract |
本研究は,砂・礫・石で構成される混合粒径河床での河床と流路変動が予測でき,かつ巨石あるいは石などによる流路制御を検討できる平面2次元河床・流路変動モデルの開発を目的としたものである.当該年度では以下を行った. (1)混合粒径砂河床の河床変動・分級作用を考慮した数値モデルの構築 有限体積法と近似リーマン解法の一つであるHLLC(Harten-Lax-vanLeerandContact)法を用いて,混合砂礫河川を対象とした車面2次元河床変動モデルを新たに構築した.同モデルでは,基礎方程式には(1)2次元浅水方程式と(2)全粒径と交換層の概念に基づく粒径別の流砂の連続の式,流砂量式には(1)遮蔽効果に修正エギアザロフ式を適用した芦田・道上の流砂量式と(2)礫間に存在する砂の影響を考慮したWilcok and Croweの流砂量式,交換層と貯留層との境界での粒度比率には(1)平野の式と(2)Hoey and Fergusonの式を用いており,その特徴は,河床表層下の堆積層の粒度分布を更新しつつ,混合粒径河床変動を予測する上で重要となる交換層の粒度比率について,河床上昇時には掃流砂の,河床低下時に河床表層下の粒度分布の影響を考慮している点にある. (2)モデルの検証 河床低下によるarmouringや,常射流混在下での河床材料の細粒化を伴う河床上昇の実験結果に適用し,上記のモデルの予測精度を検証した.その結果,同モデルが流れが常流から射流に遷移する区間で,粒度分布の連続の式で数値的不安定が生じることもなく安定した計算が可能なこと,河床高や粒度分布などの実験結果を十分な精度で再現できること,交換層と貯留層での粒度比率の求め方に課題が残ること,などが確認された.
|
Research Products
(7 results)