Research Abstract |
まず,既に我が国で収集したデータを再整理し,必要に応じてデータのスクリーニングを行った.具体的には,富山市および東京都で収集された世帯単位の活動ダイアリーデータについて,データの精度を確認し,交通サービスデータ等の必要なデータを付加した.また,明らかに不合理なデータ等がある場合には,その修正あるいは除去を行った.次に,夫,妻,子からなる世帯を対象として,世帯内に家長が存在し,世帯の意思決定に大きな影響を及ぼす場合の世帯交通行動モデルを推定した.モデルの推定に当たっては,統計処理ソフトを活用した. 次に,我が国の世帯単位の行動特性を,他国と比較するために,スリランカですでに入手済みのデータの活用可能性を検討した.しかし,ここで得られたデータが,我が国の結果と直接的な比較を行うためには,精度が十分でないことが判明したことから,別途,インドネシアにおけるデータの入手可能性について検討を行うこととした.既存研究・調査のレビューを行ったところ,一部の活動データを入手できたため,それをもとにジャカルタ居住者の世帯単位での買い物行動の分析を行った.しかし,さらなる精査の結果,既存の統計データでは,我が国の結果との直接的な比較が困難であることが判明した.そこで,現地で新たに我が国の調査と同様の調査を実施することとした.ここでは,インドネシアのジャカルタに居住する夫,妻,子からなる世帯を対象とした独自のアンケート調査を実施する計画としている.来年度,調査を実施して必要なデータを入手し,分析結果を東京,富山と結果の比較を行うことによって,我が国の世帯単位の活動に関する特性の理解を深める予定である.
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