2010 Fiscal Year Annual Research Report
観光地域における生活者調和型の交通計画スキームに関する研究
Project/Area Number |
21760404
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
吉田 樹 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (60457819)
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Keywords | 交通工学・国土計画 / 公共交通計画 / 歩行者交通流 / 観光計画 |
Research Abstract |
本研究は、観光立国が推進されるわが国において、観光地域における生活者と観光者がともに快適な環境を創出するために、生活者と観光交通の折り合いに配慮した「生活者調和型」の交通計画に関する理論化と計画技術の構築を目的として実施するものであり、今年度は2年目の研究である。 今年度は、第一に、青森県奥入瀬渓流地域を対象に、多客時における交通量観測と観光客アンケート調査を実施した。同地域では、東北新幹線全線開業(2010年12月4日)に伴い、首都圏からのアクセシビリティが向上したことに加え、地域内の路線バス網も変化したことから、観光客の回遊行動と公共交通の利用実態および経営状況を開業前後で比較することが目的である。 第二に、大都市部における観光交通に関して、東京都台東区浅草地区を対象に、GPSとビデオカメラを用いた観測調査を実施した。浅草地区の平常時とイベント時(浅草サンバカーニバル開催時)の歩行者交通流をGPSとビデオカメラを用いて観測し、歩行者交通シミュレーションソフト"Simtread"を用いた解析を行った。この結果を詳細に分析することで、浅草地区の来訪者が「不快な混雑」を感じることのない交通容量を推計することが可能になると考えられることから、大都市部の観光計画技術の向上に寄与することが期待される。 第三に、わが国の地域公共交通に関する事業制度の変遷(乗合バス事業の規制緩和(2002年2月)以降)と現況および課題を生活交通と観光交通の双方から整理し、その成果を国際会議(TRANSED2010)で発表した。
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Research Products
(9 results)