2010 Fiscal Year Annual Research Report
マルチフィジックス対応汎用音響数値解析オープンソースパッケージの開発
Project/Area Number |
21760447
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大嶋 拓也 新潟大学, 自然科学系, 助教 (40332647)
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Keywords | 建築環境・設備 / 計算機システム / 音響数値解析 / マルチフィジックス / オープンソース |
Research Abstract |
平成22年度は、平成21年度に行ったコード作成およびプリ・ポストプロセッシングインターフェイス作成に引続き、以下を行った。 1.線形化オイラー法を用いた音響伝搬解析手法による解析事例:平成21年度において開発を行った線形化オイラー法(LE法)による気流中の音響伝搬解析コードに対し、さらに数値地図データから自動生成した市街地形状のような複雑形状の取扱い機能を付加した。本機能の追加に当たっては、オープンソースの汎用可視化ライブラリであるVisualization Toolkit (VTK)を全面的に援用することで、有限差分法における複雑形状対応を可能とした。本コードを用いて新潟県長岡市のJR長岡駅および新市役所周辺の1km四方街区を対象とした解析を行い、気流による音響伝搬変化を明らかにした。 2.音響-振動連成解析コードの作成:気流中の音響伝搬解析と並び、遮音・床衝撃音問題など、建築分野において主要なマルチフィジックス問題である音響-振動連成問題について、時間領域有限体積法による非構造格子対応汎用コードの開発を行った。本機能の開発には、オープンソースの汎用有限体積法ライブラリであるOpenFOAMを全面的に援用した。無限大板への平面波垂直入射問題を用いて音響-振動連成界面における振幅・位相誤差の検討を行い、当該誤差が充分に小さいことを確認した。さらに、従来、このような連成問題は有限要素法などの周波数領域解法が用いられており、時間領域解析は希少であることから、時間領域解法の得意とする過渡現象の可視化を充実させるため、オープンソースの並列可視化ソフトウエアであるParaViewに対する並列データリーダを開発した。 成果公開に関しては国内外における学会発表のほか、開発したコードに関するドキュメント整備等を行い、webサイトにおけるプログラムコード等の公開を行った。
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Research Products
(5 results)