2010 Fiscal Year Annual Research Report
室内空気中のSVOCの存在形態と微粒子表面への付着のシナリオ
Project/Area Number |
21760458
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
鍵 直樹 国立保健医療科学院, 建築衛生部, 室長 (20345383)
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Keywords | 空気環境 / SVOC / 浮遊粒子状物質 / 室内空気質 |
Research Abstract |
本研究では,室内空気環境における汚染メカニズムの解明として,室内空気中のSVOCの存在形態に着目して,ガスと粒子表面に付着したSVOCの存在量の定量化方法を開発し,室内浮遊粒子・ガス及びハウスダストへのSVOCの分配を解明すると共に,SVOCのガス・粒子付着のシナリオを検討することを目的とした。今年度は,下記の項目について,検討を行った。 ・室内浮遊超微粒子濃度とSVOC存在量との関係の解明 関東ローム粒子とガス状DEHPを発生させ,チャンバーにおいて両者を共存させ,昨年度開発した上記の分離捕集方法により浮遊している状態でガス及び粒子に吸着したDEHPの存在量について測定を行った。結果として,ガス状の濃度の上昇と共に粒子への吸着量が上昇する傾向が得られた。この値について,Langmuirの吸着等温線にのせてみると,良好な一致が見られることから,粒子表面においてEDHPの吸着にはLangmuir型の形式を取ることが分かった。 ・粒子の種類の違いによる影響 関東ロームの他に,カーボンブラック,一般室内粉じんなどを用いて,組成の違う粒子による吸着量の差を求めた。一般室内粉じんを上記のチャンバーと同様にDEHPに共存させると,先の関東ローム粒子に比較して,さらに大きな吸着量となることが判明した。粒子の形状などの影響も考えられるが,粒子自体の組成によって,その表面に吸着するDEHPに影響を与えることが分かった。 今後は,更にその特性を把握するために,粒子とDEHPの吸着時間(滞留時間)を制御すること,その他の表面組成の粒子を用いた実験などを行うことにより,SVOCの存在形態の一端を明らかにする必要がある。
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Research Products
(4 results)