2011 Fiscal Year Annual Research Report
米国ダウンタウンにおけるリンケージデザインの実践手法に関する研究
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21760489
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
遠藤 新 工学院大学, 建築学部, 准教授 (40292891)
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Keywords | リンケージデザイン / アーバンデザイン / グリーン・インフラストラクチャー / 未利用地マネジメント / オープンスペース計画 / 雨水流出抑制 / コミュニティ・ガーデン / 縮小都市 |
Research Abstract |
米国都市におけるリンゲージデザインの現代的課題として抽出している3つの課題すなわち、(1)総合的なオープンスペース計画の策定(Comprehensive Open Space Plan)、(2)グリーン・インフラストラクチャーの計画と整備(Green Infrastructure)、(3)都市内大公園の整備(Great Urban Parks)に対して、今年度はフィラデルブィア市を対象に(1)(2)(3)の調査を、ボルチモア市を対象に(3)の調査をそれぞれ行った。 フィラデルフィア市では、市内でも空洞化の激しい北フィラデルフィア地域に位置するニューケンジントン地区の未利用地を対象とするPhiladelphia Green Programの成果を踏査し、総合的なオープンスペース計画の展開効果について、コミュニティガーデンや緑化空地など多様なオープンスペースがコミュニティベースで維持管理されていることを確認した。さらに、総合的な空地計画やグリーンインフラの計画において重要なハブと位置づけられているFairmount ParkおよびCobbs Creekの二つの都市内大規模緑地・河川空間を視察した。 ボルチモア市では、ダウンタウン東部Highlandtown地区の未利用地等再生のための取組について地元まちづくり組織等にヒアリング調査を行い、関連して地域のシンボルとしての都市内大公園であるPatterson Parkの利用状況など視察した。 さらに、前年度までの文献・ウェブ調査(全米対象)ならびに現地調査(フィラデルフィア等)で得られたデータや知見をもとに3本の審査付き論文(未利用地マネジメントに関するもの1本、グリーン・インフラストラクチャー計画に関するもの2本)を投稿し、いずれも掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的のうち、「主要都市の動向把握・分析によるリンケージデザインの特徴整理」は3つの現代的課題の抽出を通じて達成。「ケーススタディを通じた実現手法の解明」はその一部を査読付き論文として発表。「リンケージデザインの実践における要点についての考察」は一部を査読付き論文として発表、最終的には平成24年度の調査成果も踏まえてとりまとめる予定。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、具体的成果の上がっている先進的都市の調査分析に重点を置いてきた。最終年度となるH24年度は他都市での取り組みや進捗について調査分析していくことで、研究成果の体系的な整理の推進を目指す。
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Research Products
(4 results)