2010 Fiscal Year Annual Research Report
正20面体クラスター特有の規則-不規則相転移における4面体配向メカニズムの解明
Project/Area Number |
21760522
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
田村 隆治 東京理科大学, 基礎工学部, 准教授 (50307708)
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Keywords | 準結晶 / 近似結晶 / 規則-不規則相転移 |
Research Abstract |
本年度は、放射光測定データの解析を行い、Zn6Scの相転移におけるZn四面体の微視的挙動について以下の点を明らかにした。 1.転移点以上の温度における散漫散乱の解析により、4面体間の相関距離が温度低下と共に発散的に増大し、転移点直上では相関距離が約1000Åに達すること。さらに、二次転移から予想される転移点は実際の転移点よりも低いことが分かった。また、散漫散乱プロファイルがガウシアン関数で良くフィッティングできることから、四面体間の相互作用が指数関数で表現できることが分かった。 2.転移点においては、立方晶から単斜晶に(温度にして)急峻に歪むことが判明した。 3.転移点以下では、散漫散乱ピークがブラッグピークに移行し、温度低下に伴い長距離秩序が発達すること、またドメインサイズが約1000Åに達することが判明した。 以上の結果より、Zn6Sc化合物中のZn四面体の微視的挙動が解明された。
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Research Products
(2 results)