2010 Fiscal Year Annual Research Report
TiAl基合金損傷部へのAl拡散による高温特性の改善
Project/Area Number |
21760579
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐々木 朋裕 新潟大学, 自然科学系, 助教 (40432067)
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Keywords | 表面処理 / 金属間化合物 / TiAl基合金 / 溶射 |
Research Abstract |
本研究では,機械加工したTiAl基合金の耐酸化性および加工後の機械的強度を改善することを目的として、切削加工したTiAl基合金(Ti-49%at%Al合金)の表面に対して,Alコーティングと拡散処理を組み合わせたAl拡散処理を行った。前年度では,拡散処理による金属間化合物層の生成過程を中心に調べ,コーティングの最表層に耐酸化性の高いTiAl_3から成るAl-rich層が生成できることを明らかにした。また、母材とAlコーティング層界面付近にはTiAl_2およびTiAlから成る中間層の生成が認められた。特に中間層の厚さは拡散処理時間に伴い増加し、機械加工部の凹凸およびクラック解消の効果が得られる可能性を示した。平成22年度は,先ず,以上のAl拡散処理の最適条件を明らかにするために,700℃から1100℃の拡散条件における金属化合物層の生成過程を調べた.次に,コーティング層の高温雰囲気中における耐酸化性と組織安定性を評価した.TiAl_3相の生成は拡散条件に依存し,700℃付近での拡散条件においてポアの無い緻密なコーティング層が得られることがわかった.一方,活性化エネルギー的観点から,中間層を形成するTiAl_2およびTiAl相は1000℃以上において主に生成されることがわかった.このことから,耐酸化性およびクラック解消に効果的なコーティング層の生成には2段階の熱処理が必要であると思われる.さらに,コーティングの耐酸化性は中間層の生成に大きく依存し,加熱時間が長く中間層が成長した拡散条件ほど耐酸化性が高いことがわかった.酸化後のコーティングは主にTiAl_2から成る金属間化合物相へ変化したが,クラック,剥離による劣化は認められなかった.以上より,本処理がTiAl基合金の耐酸化性向上に有効であることを示した.
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Research Products
(2 results)