2011 Fiscal Year Annual Research Report
二軸移動磁界攪拌による超微細結晶粒を有するダイカスト用半凝固金属スラリーの製造
Project/Area Number |
21760597
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
嶋崎 真一 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (00447145)
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Keywords | 金属生産工学 / 電磁攪拌 / 半凝固スラリー / 初晶微細化 |
Research Abstract |
スラリーの初晶組織は、電磁攪拌条件によってその形態が明確な樹枝状を示している場合から、樹枝状の断片組織、さらに球状へと変化する。組織観察は2次元の断面観察から行う必要があるが、樹枝状晶の断片組織は断面においては球状粒子との区別が困難であり、初晶組織の定量評価が難しい。そこで結晶方位を知ることができるEBSPを用いてスラリーサンプルの断面観察を行い、同一方位を有する初晶をグループ化することにより、初晶の大きさやその形状を定量的に評価した。その結果、初晶サイズや形状に対する電磁攪拌の影響を、従来の光学顕微鏡観察よりも正確に評価することが可能となった。 電磁攪拌のモードを、回転移動磁界攪拌の単独印加、垂直移動磁界攪拌の単独印加およびこれら二種類の撹拌の組み合わせ印加などに変化させた場合の初晶スラリーの大きさを調査した。その結果、カップ注湯直後においては回転移動磁界攪拌の単独印加で、その後、注湯後半に垂直移動磁界攪拌の単独印加に切り替える逐次撹拌法が最も優れたスラリーの撹拌法であることが実験的に明らかにされた。 注湯直後は湯面の高さが低いため、垂直移動磁界攪拌は相対的に作用し難い。そこで、注湯直後では湯の対流速度を最大にすることができる回転移動磁界攪拌を印加して湯の冷却と核生成を促進し、注湯後半においてスラリー全体を均行化するように垂直移動磁界攪拌を印加することによって、初晶が小さくかつ全体的に均一なスラリーを製造することができたと考えられる。
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Research Products
(5 results)