2011 Fiscal Year Annual Research Report
水深によって傾斜角が変化するライザー管の渦励振に関する、流体構造連成解析法の開発
Project/Area Number |
21760665
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
西 佳樹 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (70470052)
|
Keywords | 海洋資源 / 海洋工学 / ライザー管 / 渦励振 |
Research Abstract |
ライザー管の振動を抑制するために管表面に突起状の物体を付加するという方法が提唱されている。本年度は、水槽実験および数値計算によりこの方法の効果を検証した。ライザー管の一部分を模擬した小型の円柱模型に付加物体(細いパイプ)を取り付けた。この取り付け位置と円柱の中心を結ぶ線分、およびよどみ点と円柱の中心とを結ぶ線分とがなす角度を調節できるようにした。その結果、この角度がある程度小さい場合には、従来指摘されていた通りの効果が発揮されることが確認された。付加物体ありの円柱に作用する揚力は、付加物体のない円柱に作用する揚力よりも小さくなり、かつ振動振幅も小さくなった。しかし、この取り付け角度を少しずつ大きくしていったところ逆の効果が現れた。揚力が急激に大きくなり、それに伴って円柱の振動が振幅・振動数ともに上昇した。この事実から振動を抑制する目的で突起状物体を付加する際には、流れの向きを把握したうえで取り付け角度をある値よりも小さくなるように注意する必要があることが分かった。同様の現象に対して、格子ボルツマン法を用いた数値シミュレーションによっても検討した。数値計算が実験において発生した現象を概ね再現できたことを確認した後、揚力が大きくなるケースについて計算結果を分析した。その結果、付加物体の取り付けにより円柱表面近傍における流れの剥離が促進され、円柱後流に生成される渦が強化されることが分かった。それに伴い渦生成部分における圧力変動が大きくなっていた。これが揚力増大の直接的な理由であった。レイノルズ数が変化した場合、この現象にどのような変化が起こりうるかも調べた、その結果、レイノルズ数が大きくなると、付加物体の揚力低減効果が失われる取り付け角度が小さくなることが分かった。
|
Research Products
(2 results)