2009 Fiscal Year Annual Research Report
弾性波速度と透水テンソル理論の拡張による亀裂性岩盤の透水係数分布の評価法の開発
Project/Area Number |
21760681
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
竹村 貴人 Nihon University, 文理学部, 講師 (30359591)
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Keywords | クラックテンソル / 透水テンソル / 弾性波速度 / 透水係数 / 岩盤 / クラック |
Research Abstract |
弾性波速度を利用して透水係数に関与する亀裂の幾何学的情報の推定を行うことを目的として、拘束圧下での亀裂を有する試料の弾性波速度と歪みの測定を行った。実験に用いた装置は、本年度に導入した高圧三軸室の内部において多点同時弾性波速度を測定できるシステムおよび動的歪みを測定できるシステムを構築し、岩石試料の任意の断面(Φ50mm)での2次元弾性波速度トモグラフィーを取得できるようにした。また、弾性波速度の測定を多方向から行い、クラックテンソル理論を用い、亀裂を持つ岩石試料の亀裂密度と亀裂の3次元異方性を弾性波速度から推定できる構成則を弾性論の枠組みから構築した。また、その推定精度を検証するため、亀裂密度の異なる試料を用いた精度検証試験を行った。その結果、亀裂密度が高くなり、岩石が粒状態のようになると理論値と測定値が離れてしまうことがわかった。ここで、実験に用いた試料は定応力負荷によりダメージを受けた稲田花崗岩と白浜砂岩である。ここで、推定された亀裂密度と3次元異方性から、現段階では、透水異方性のみが推定できるが、来年度に行う予定である開口幅の推定を行うことで、非破壊の物理探査(弾性波速度)データから地層区分だけでなく、透水係数も推定できるようになることが期待され、その成果は放射性廃棄物の地層処分、二酸化炭素の地下貯留やメタンガスハイドレートの探査などを目的とした地下空間の技術開発に貢献できる。
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