2009 Fiscal Year Annual Research Report
周辺MHD安定性解析による大振幅エッジローカライズモード抑制機構の解明
Project/Area Number |
21760698
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
相羽 信行 Japan Atomic Energy Agency, 核融合研究開発部門, 任期付研究員 (20414584)
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Keywords | MHD安定性 / ELM / トロイダル回転 / Hモード |
Research Abstract |
本年度は、"安定性解析コードMINERVAを用いて周辺局在理想MHDモードの安定限界に対するプラズマのトロイダル回転の影響に関して定量的な数値解析、特に原子力機構のJT-60Uなどの実験装置で観測されているELM現象に対するトロイダル回転の影響について数値解析を行い、実験的に観測されているELMの抑制・小振幅化に対するプラズマ回転の影響に関する物理機構の解明を目指す"ことを目的としていた。そのために、まず"トロイダル回転による周辺局在MHDモードの不安定化の原因"を特定するための数値解析を行い、この不安定化は"不安定モードの振動数とプラズマの回転周波数のずれによって生じる"ことを明らかにした。この成果は、プラズマ回転が差動回転であること、また不安定モードが径方向に広がった構造を持つことが不安定化に重要であることを示すものであり、H-modeワークショップやアメリカ物理学会などの国際・国内会議で発表するとともに投稿論文がNuclear Fusion誌に掲載された。 また、この成果を元に、JT-60Uにおけるtype-I ELMy Hモードプラズマのトロイダル回転によるELMの性質および閉じ込め性能の変化の原因を調べるために、JT-60Uの周辺MHD安定性に対するトロイダル回転の影響を評価した。その結果、トロイダル回転が電流に対して逆向きに回転している場合は周辺領域に強い回転シアが存在することで波長の短いMHDモードが不安定化され、ペデスタルの安定限界圧力が低下することを明らかにした。この成果は、同方向に回転しているプラズマでペデスタル圧力が低下する、およびELMによるペデスタル崩壊幅が狭まるという実験計測結果と矛盾しないものであり、type-I ELMとトロイダル回転との相関の原因を示したものであり、APFA 2009などで発表するとともに投稿論文がJPFR誌に受理された。
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