2011 Fiscal Year Annual Research Report
周辺MHD安定性解析による大振幅エッジローカライズモード抑制機構の解明
Project/Area Number |
21760698
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
相羽 信行 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究職 (20414584)
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Keywords | MHD安定性 / エッジローカライズモード / 拡張MHDモデル / Hモードプラズマ / トカマク |
Research Abstract |
本年度は、小振幅エッジローカライズモード(ELM)の原因を明らかにすることを目的として、短波長電磁流体(MHD)安定性に影響を与える運動論効果を簡易的に考慮した周辺MHD安定性解析を行った。このために、運動論効果のうち"イオン反磁性ドリフト効果"と呼ばれる安定化効果とともに"電子ドリフト音波効果"と呼ばれる効果を考慮した分散関係式を、前年度までに開発・拡張を進めてきた理想MHD安定性解析コードMINERVAの結果を用いて解くことで、上記の周辺MHD安定性解析を可能にした。 この数値コード・分散関係式を用いた解析の結果、従来から知られていた"イオン反磁性ドリフト効果による短波長MHDモードの安定化"は"電子ドリフト音波効果"によって無効化されうることを定量的に評価・解明した。この安定化効果の無効化により、短波長MHDモードの発生領域はJT-60Uにおいてgrassy ELMと呼ばれる小振幅ELMが発生する領域に近いことを示すとともに、その場合に発生するMHDモードの固有関数は周辺ペデスタル領域に局在化していることを明らかにした。この傾向は、JT-60Uにおける密度揺動計測によるELM崩壊幅の評価結果と定性的に一致しており、これらの結果からgrassy ELMの原因として上記の2つの運動論効果を考慮した短波長MHDモードが極めて有力であることを示した。これらの成果は、第13回Hモード物理に関する国際ワークショップにおいて発表を行うとともに、Nuclear Fusion誌に投稿・受理された。
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