2009 Fiscal Year Annual Research Report
インクジェットプリンターを用いた中性子照射ターゲット作製方法の開発
Project/Area Number |
21760707
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高宮 幸一 Kyoto University, 原子炉実験所, 准教授 (70324712)
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Keywords | 中性子 / 照射ターゲット / 線量測定 / 線量分布測定 |
Research Abstract |
インクジェットプリンターを用いた中性子照射ターゲットの作製方法を確立するために、塗布する金属の種類・化学形、金属溶液の液性・濃度、インクジェットプリンターの動作設定について考察を行った。その結果、塗布する金属には中性子線量測定に一般的に用いられる金を用い、これを数百~数千ppmの濃度で含む硝酸溶液とし有機溶剤と混合することで、不純物の混入のない塗布溶液を調製することができた。この金溶液をインクジェットプリンターを用いて印刷して中性子照射ターゲットとし、韓国原子力研究所の研究用原子炉HANAROの圧気輸送管照射設備を用いて中性子照射実験を行った。同じ条件で作製した複数のターゲットについて中性子照射実験を行い、線量測定の妨害となる不純物の混入のないことをガンマ線スペクトロメトリにより確認し、ターゲット中の金濃度の均一性およびターゲット作製の再現性の高さを確認した。さらに圧気輸送管照射設備の接続された照射孔内における垂直方向の中性子線量分布測定を試み、5mmの位置分解能で、かつ十分な統計精度での測定を行うことができた。また、サイクロトロン加速器を用いた中性子照射場において、中性子照射ターゲットとイメージングプレートを用いて、中性子線量の二次元分布測定を試みた。この結果、5mmの位置分解能での中性子線量分布の観測ができた。研究用原子炉等の中性子照射場では中性子線量が数百~数万倍高いため、数十~数百μmの位置分解能での中性子線量分布測定が可能であると期待される。
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