2010 Fiscal Year Annual Research Report
種の維持に関わる花粉管ガイダンスの分子基盤―花粉管誘引因子と受容体の分子進化―
Project/Area Number |
21770041
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金岡 雅浩 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (10467277)
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Keywords | 花粉管ガイダンス / 種分化 / 植物有性生殖 / シグナル伝達 / トレニア |
Research Abstract |
花粉管ガイダンスは、植物の生殖や穀物の生産を支える重要な機構である。本研究では、in vitro花粉管ガイダンス実験系のモデル植物Torenia fournieriを用いて明らかになりつつある花粉管ガイダンス因子の知見をふまえ、その分子が野生の植物種ではどのような分子進化を逐げ機能しているか、明らかにすることを目指した。 昨年度までに、近年当研究室の研究により明らかとなった、Torenia fournieriにおける花粉管ガイダンス因子TfCRP1のオーソログ遺伝子をこれらの近縁植物から単離することに成功している。本年度はそのうちT.concolorの胚珠cDNAから単離されたTcCRP1遺伝子のコードするタンパク質を精製・リフォールディングし、その花粉管誘引活を検討した。TcCRP1タンパク質は濃度依存的に同種の花粉管を誘引した。また、T.fournieriの花粉管に対しては低い誘引活性を示した。さらに、TfCRP1タンパク質のT.concolor花粉管に対する誘引活性は同種の花粉管に対する物よりも低いことも閉らかになった。このことからTcCRP1はT.concolorにおける花粉管誘引物質であり、CRP1は同種の花粉管に対して強い誘引活性を示すことが示唆された。これらの成果をまとめて論文として発表した。 なお、本年度の研究は、震災の影響をうけ、平成23年9月30日まで繰り越された。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] DNA packaging proteins Glom and Glom2 coordinately organize the mitochondrial nucleoid of Physarum polycephalum2011
Author(s)
Itoh K., Izumi A., Mori T., Dohmae N., Yui R., Maeda-Sano K., Shirai Y., Kanaoka, MM., Kuroiwa T., Higashiyama T., Sugita M., Murakami-Murofushi K., Kawano S., * Sasaki N.
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Journal Title
Mitochondrion
Volume: 11
Pages: 575-586
Peer Reviewed
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[Journal Article] Live-cell Imaging Reveals the Dynamics of Two Sperm Cells during Double Fertilization in Arabidopsis thaliana2011
Author(s)
Hamamura Y., Saito C., Awai C., Kurihara D., Miyawaki A., Nakagawa T., Kanaoka, MM., Sasaki N., Nakano A., Berger F., * Higashiyama T.
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Journal Title
Current Biology
Volume: 21
Pages: 497-502
Peer Reviewed
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