2009 Fiscal Year Annual Research Report
脂質性シグナル伝達に関わるPIP5Kのアイソザイム固有の活性制御・生理機能の解析
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21770132
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
船越 祐司 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 助教 (30415286)
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Keywords | 脂質性シグナル伝達 / 低分子量Gタンパク質 / リン脂質代謝 / アイソザイム |
Research Abstract |
リン脂質代謝酵素ホスファチジルイノシトール4-リン酸5-キナーゼ(PIP5K)は、ホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸(PIP_2)の産生を介して、細胞骨格再構築、小胞輸送など生体内において多彩な機能を担っている。PIP5Kにはα、β、γの三種のアイソザイムとγには3つのスプライシングバリアントが存在する。本研究では、それぞれのアイソザイムの活性化機構とその生理機能について解析を行い、PIP5Kアイソザイムは固有の機構でARF6による活性化を受けるという新たな知見を得た。 先に我々は、PIP5Kの直接の活性化因子として低分子量Gタンパク質のARF6を同定したが、in vitroにおいて、ARF6はPIP5Kα、βを活性化するがPIP5Kγは活性化しないことを見出した。しかしながら、PIP5Kγに固有のN末端領域を欠損させたところ(ΔN)、この変異体はARF6により顕著に活性化された。また、この活性化はN末端領域の断片を添加することで抑制された。さらに、PIP5Kγの全長(WT)とΔN変異体のARF6との相互作用を検討したところ、ΔNとARF6との結合量はWTと比較して顕著に増加していた。以上より、PIP5KγではN末端領域がARF6との相互作用を阻害することで活性化を抑制していることが明らかとなり、PIP5Kγは分子内あるいは分子間マスキングによりARF6による活性化を調節していることが示唆された。
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Research Products
(17 results)