2009 Fiscal Year Annual Research Report
試験管内再現系を用いた、クロマチンの構造制御/転写活性制御の解析
Project/Area Number |
21770167
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
日詰 光治 Kyoto University, 生命科学研究科, 助教 (10378846)
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Keywords | クロマチン / 原子力間顕微鏡 / 試験管内再構成 |
Research Abstract |
本年度の研究計画の、「(i)試験管内で長鎖ヌクレオソームファイバーを、"凝縮転写不活性型"あるいは"弛緩転写活性型"クロマチンへと操作する系の確立を行なう」については、高度にアセチル化されたコアヒストンを用いたクロマチン再構成に成功し、"弛緩転写活性型"クロマチンの作製に成功した。このクロマチンは、アセチル化されていないクロマチンに対し、塩濃度依存的なクロマチン凝集能が低いことを示した。"凝縮転写不活性型"クロマチンの作製は、現在進行中である。 「研究計画(ii)AFMによる構造解析を行なう」については、凝縮型・弛緩型クロマチンの比較の前段階として、新たなクロマチン観察方法の開発に重点を置いて研究を実行した。すなわち、研究発表(雑誌論文)Suzuki Y. et al(Ultramicroscopy)に発表したとおり、高速AFMによるヌクレオソームの動画撮影に成功し、ヌクレオソームのDNA上でのスライディングや、ヌクレオソームがDNA上から脱落する様子を、分子イメージングすることに成功した。この動画撮影は、2flame/secondで取得されたものであり、ヌクレオソームの動的性質を追跡するうえで、前例のない新規な解析例である。 「研究計画(iii)再構成高次クロマチン複合体の生化学的性質を解析する」および「研究計画(iv)GFP融合タンパク質を発現する細胞のセットアップ」については、分裂酵母の材料を用いて実行した。リンカーヒストンを持たない分裂酵母のクロマチンにリンカーヒストンを加えた影響を調査する目的で、再構成分裂酵母クロマチンにリンカーヒストンを加え、MNase処理を行い、分裂酵母クロマチンに対してもリンカーヒストンは凝集能を持つことを証明した。また、GFP融合リンカーヒストンを発現する分裂酵母細胞株を作製した。
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