2009 Fiscal Year Annual Research Report
Cdc7タンパク質リン酸化酵素の姉妹染色体接着における機能
Project/Area Number |
21770186
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 達郎 Osaka University, 大学院・理学研究科, 助教 (50452420)
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Keywords | 染色体分配 / 姉妹染色体接着 / コヒーシン / Cdc7 kinase / Scc2-Scc4 / 染色体 / アフリカツメガエル |
Research Abstract |
分裂期に姉妹染色体を正しく整列させ、娘細胞に正確に分配するためには、姉妹染色体のペアが接着されていることが必要である。姉妹染色体接着はDNA合成と同時期に成立し、分配直前まで維持される。姉妹染色体はコヒーシン複合体により接着される。コヒーシンは姉妹染色体の接着だけでなく、DNAの損傷修復や転写の制御にも機能する。コヒーシンが染色体に結合するには、Scc2-Scc4複合体が必要であり、Scc2-Scc4はコヒーシンの染色体結合制御を介して姉妹染色体接着や転写制御等に機能すると考えられている。従って、Scc2-Scc4が染色体に結合する反応は、コヒーシンの多様な機能を制御する鍵となる反応であると考えられる。しかしながらScc2-Scc4の染色体結合機構は、これまでほとんど分かっていなかった。 我々はこれまでに、ツメガエル卵無細胞DNA複製系をモデル系に用いて、Scc2-Scc4の染色体結合がDNA複製により制御されることを報告してきた。DNA複製開始に必須の蛋白質リン酸化酵素であるCdc7はScc2-Scc4と複合体を形成し、Scc2-Scc4の染色体結合に必須の機能を持つ。一方、Cdc7がどのようにしてScc2-Scc4の染色体結合を促進するのかは不明であった。本研究ではツメガエルCdc7が試験管内でScc2蛋白質をリン酸化する事を見いだした。またScc2-Scc4複合体の染色体結合領域を探索し、Scc2のN末端約200アミノ酸がScc2-Scc4の染色体結合に必要であることを明らかにした。Scc2のN末端領域はセリン・スレオニンに富んでおり、Cdc7によるリン酸化ターゲットの有力な候補であると考えられた。現在、この領域がCdc7によりどのように修飾されるかを解析しており、これらの解析を通じてCdc7がScc2-Scc4を制御するメカニズムの解明を目指している。
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