2009 Fiscal Year Annual Research Report
ゴルジ体以降の膜輸送におけるRab14とそのエフェクターの調節機構
Project/Area Number |
21770203
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
申 惠媛 Kyoto University, 医学研究科, 特定助教 (10345598)
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Keywords | 細胞 / メンブレントラフィック / Small GTPase / 小胞輸送 / エンドソーム |
Research Abstract |
細胞の恒常性は、細胞の中で合成されたタンパク質がTGNおよびエンドソームで正しく選別され、機能すべき場所へと正しく運ばれることで維持されている。 低分子量GTPaseであるRabはヒトで60種類以上存在し、一部を除いてほとんどのRabの機能は不明なままである。Rabはそれぞれ特異的なオルガネラに局在し、活性化されたGTP結合型Rabはさまざまなエフェクター分子をオルガネラ膜にリクルートし、小胞輸送における分子スイッチとして重要な役割を担っている。応募者は、エンドソームとゴルジ体の両方に局在するRab14に注目し、Rab14の調節メカニズムを解明することを目的とする。応募者はRab14と結合するタンパク質を酵母two-hybridスクリーニングにより、同定することに成功した。そのなかには、Rab4の結合因子として同定されているRUFY1が含まれていた。これまでにRUFY1がエンドソームでRab14やRab4と共局在することやRUFY1がRab14やRab4と異なる領域を介して結合することが分かった。さらに、RUFY1のエンドソームへの局在はRab4ではなくRab14を介していることを明らかにした。これはRUFY1がRab14とRab4の機能をリンクさせていることを示唆する。 60種類以上あるRabタンパク質間の連続的なシグナルの伝達や機能のクロストークは共通の結合因子によって行われると考えられている。RUFY1はその共通の結合因子としてRab14とRab4を機能的にリンクさせていると考えられる。しかし、そのメカニズムはまだ明らかではないため、今後さらなる研究によってクロストークの調節機構やその生理的意味を明らかにしていく。
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