2009 Fiscal Year Annual Research Report
ミラーニューロンシステムからみた睡眠不足時の危険認知機能への影響と個体差の検討
Project/Area Number |
21770269
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
田村 美由紀 National Center of Neurology and Psychiatry, 精神保健研究所精神生理部, 協力研究員 (80508789)
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Keywords | ミラーニューロンシステム / 睡眠負債 / fMRI / 危険認知 |
Research Abstract |
危険を伴う動作を観察した際のミラーニュロンシステム(MNS)について、機能的核磁気共鳴画像法(fMRI)を用いた実験を行った。被験者34名(男性20名・女性14名、平均年齢23.4±3.7)を対象とし、手を用いた危険な動作と安全な動作の動画(2.5-4.0秒)を作成し、被験者に提示した際の賦活について解析を行った。また実験に先立って、被験者の心理状態の個体差をGHQ12、STAI(Trait及びState)、SDSによる質問紙調査によって解析した。解析にはSPM5(Statistical Parametric Mapping)を用いた。その結果、いずれの動作を観祭した場合も、MNS領域での賦活がみられた。さらに、危険な動作と安全な動作によって、MNS領域及びMNSに関連する領域の一部において賦活の強さが異なる事が明らかになった。危険な動作を観察した際に、賦活が強くなる領域は、下頭頂小葉(inferior parietal lobule : IPL)、上側頭溝(superior temporal sulcus : STS)、及び中側頭回(middle temporal gvrus : MTG)であつた。安全な動作を観察した際に、賦活が強くなる領域は観測されなかった。さちにMTGでは、GHQ12及びSTAI-Stateスコアと負の相関を示す事が明らかとなった。現在は、睡眠負債時に認知する危険な動作と安全な動作の関運について実験を行い、他者の痛みを認知する機能と合わせて解析を進めている。共感に関連した領域である前帯状回皮質(anterior cinulate cortex : ACC)、背外側前頭前野(dorsolateral prefrontal cortex : DLPFC)や、MNSとその関連領域である下頭頂小葉(inferior parietal lobule : IPL)、上側頭溝(superior temporal sulcus : STS)において、賦活が強化される結果を得ており、さらに詳細な解析を進めている。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Sleep-related and use of hypnotics in inpatients of acute hospital wards2010
Author(s)
Enomoto M, Tsutsui T, Higashino S, Otaga M, Higuchi S, Aritake S, Tamura M, Matsuura M, Kaneita Y, Takahashi K, Mishima K.
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Journal Title
Gen Hosp Psychiatry (印刷中)
Peer Reviewed
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[Presentation] 概日時計システムと睡眠調節2009
Author(s)
肥田昌子, 渡邊真紀子, 加藤美恵, 有竹清夏, 榎本みのり, 北村真吾, 田村美由紀, 樋口重和, 三島和夫
Organizer
第6回アジア睡眠学会,日本睡眠学会第34回定期学術集会,第16回日本時間生物学会学術大会
Place of Presentation
大阪グランキューブ大阪
Year and Date
2009-10-27
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[Presentation] 自己覚醒と脳血流変動2009
Author(s)
有竹清夏, 樋口重和, 肥田昌子, 鈴木博之, 榎本みのり, 田村美由紀, 栗山健一, 曽雌崇弘, 北村真吾, 渡邊真紀子, 井上正雄, 三島和夫.
Organizer
第6回アジア睡眠学会,日本睡眠学会第34回定期学術集会,第16回日本時間生物学会学術大会
Place of Presentation
大阪グランキューブ大阪
Year and Date
2009-10-25
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[Presentation] 診療報酬データに基づく睡眠薬の処方実態に関する横断的および縦断的調査2009
Author(s)
榎本みのり, 古田光, 肥田昌子, 有竹清夏, 北村真吾, 渡邊真紀子, 田村美由紀, 樋口重和, 松浦雅人, 筒井孝子, 大多賀政昭, 兼板佳孝, 三島和夫
Organizer
第6回アジア睡眠学会,日本睡眠学会第34回定期学術集会,第16回日本時間生物学会学術大会
Place of Presentation
大阪グランキューブ大阪
Year and Date
2009-10-25
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