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2009 Fiscal Year Annual Research Report

江戸時代から里山時代における農耕地雑草の多様性変化と人間活動との関係

Research Project

Project/Area Number 21780012
Research InstitutionThe Graduate University for Advanced Studies

Principal Investigator

那須 浩郎  The Graduate University for Advanced Studies, 葉山高等研究センター, 上級研究員 (60390704)

Keywords雑草 / 多様性 / 考古学 / 植物
Research Abstract

初年度である本年度は、まず江戸時代における農耕地雑草の多様性を明らかにするため、神奈川県逗子市池子遺跡において調査を開始した。池子遺跡では、1707年に噴出した富士宝永テフラによって埋積された水田遺構が見つかっている。この火山灰層によってパックされた水田土壌を分析することで、当時の水田雑草群落を詳細に復元することを試みた。本調査の結果、池子遺跡の近世の水田の雑草群落の多様性は非常に高かったことが明らかになった。出土した植物遺体61種のうち、出土した農耕地雑草は43種にのぼる。水田内の雑草群落は、イバラモ類やシャジクモ類などの沈水生の水生植物が優占していた。水田要素を構成する植物では、シャジクモ属の卵胞子が1099点で最も多く出土した。続いて、イバラモ科4種の種子が多く、サガミトリゲモ149点、ホッスモ148点、イトトリゲモ140点、トリゲモ/オオトリゲモ100点がそれぞれほぼ同程度で出土した。抽水生の植物では、ホタルイ近似種が131点で多く、コナギが92点で続いた。これらの種は面的に広い範囲でまんべんなく出土しており、当時の水田の主要雑草だったと言える。これらの特徴から、池子遺跡近世水田の雑草群落の特徴は、イバラモ類などの沈水生植物の多様性が高かったといえる。特にイトトリゲモやミズオオバコなどは現在は希少な種類であり、除草剤を使った近代的水田ではほとんど見られなくなった。近世当時の水田雑草の多様性が高かったことを示す重要な資料である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2010 2009

All Journal Article (2 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 今井学校遺跡第1号住居跡の大型植物遺体分析2010

    • Author(s)
      那須浩郎
    • Journal Title

      新潟大学考古学研究室調査研究報告 10

      Pages: 67-72

  • [Journal Article] 中屋サワ遺跡の縄文時代晩期の川跡から出土した大型植物遺体2009

    • Author(s)
      那須浩郎
    • Journal Title

      中屋サワ遺跡IV-縄文時代編-

      Pages: 198-202

  • [Presentation] 栽培種と野生種はどこで見分けるか?-種実形態による識別の問題点-2009

    • Author(s)
      那須浩郎
    • Organizer
      第24回日本植生史学会公開シンポジウム「植物と人間の共生」
    • Place of Presentation
      熊本大学
    • Year and Date
      20091107-20091108
  • [Book] デジタルブック最新第四紀学2010

    • Author(s)
      那須浩郎
    • Publisher
      日本第四紀学会(CD-ROM)

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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