2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21780015
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
仲村 一郎 University of the Ryukyus, 農学部, 助教 (70381209)
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Keywords | 野生稲 / 発現解析 / 液泡膜 |
Research Abstract |
我々は,12dSm^<-1>のNaCl濃度条件下における生存率からOryza属近縁野生種に耐塩性の高い種があることを明らかにした。これまで報告されている栽培イネの耐塩性のメカニズムは、根におけるナトリウムイオン(Na^+)の排除機構、すなわち塩を回避することにあった。しかし、耐塩性野生種は、耐塩性栽培品種よりもNa^+を葉身に蓄積し生存率も高かったことから、塩に対して耐性をもつことが明らかとなった。植物は、NaCl処理を受けNa^+を葉身に蓄積していった場合、細胞内Na^+含量の上昇にともないカリウム(K^+)などのイオン含量が減少し、細胞内のイオンバランスを崩すことが多い。そこで本研究では、細胞内イオン輸送に関わる遺伝子の発現について調べた。既に報告のある遺伝子のうち、OsVHA(Na^+/H^+アンチポーター関連)、OsHKT1・OsHKT2(Na^+の輸送関連)、OsHAK1・OsHAK7・OsHA11・OsHAK16(K^+の輸送に関連)について野生稲と栽培品種で比較検討した。はじめに、これらの遺伝子のプライマーのアニーリング温度を検討した。その結果、OsHKT2では、比特異的なバンドが確認されたためOsHKT2以外のプライマーを発現解析に用いることにした。また、プライマーやイネ種によっては、目的以外のPCR産物の増加や、増加が認められないなど種間比較が容易でないことが分かった。次に、イネの葉身および葉鞘、葉身のみ、の部位別で発現を検討したところ、葉鞘のみで発現がみとめられ葉身では発現が認められないなどの部位特異的な発現が認められた。 以上の結果を踏まえ,リアルタイムRT-PCRによる遺伝子発現解析を進めている。
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