2010 Fiscal Year Annual Research Report
C1化合物を原料にした共重合バイオポリエステル生合成のための微生物分子育種
Project/Area Number |
21780066
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
折田 和泉 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (70525964)
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Keywords | メタノール / ポリヒドロキシアルカン酸 / メチロトローフ |
Research Abstract |
メタノールを原料にして高物性共重合ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)を効率的に生合成する株の取得を目的として、Methylobacterium extorquens AM1株を元株にした代謝改変を行った。申請者はこれまでにM.extorquens AM1株が染色体上に有しているPHA重合酵素遺伝子を広基質特異性PHA重合酵素をコードする遺伝子に置換した株(AM1CAc株)を構築し、この組換え株がメタノールを唯一の炭素源として、共重合PHAを合成すること、さらにAM1CAc株に第二モノマーユニット供給経路上の酵素遺伝子を導入することにより、第二モノマー分率が向上した菌株の取得に成功している。本年度は、PHAの前駆体供給の強化およびPHA分解の抑制によるPHA蓄積量の向上を目的として、1)PHAの前駆体を導く経路上の遺伝子および2)PHA分解酵素遺伝子の破壊を行った。 1)PHAの前駆体である3-ヒドロキシブチリル-CoAは、PHA経路のほかに、エチルマロニル-CoA経路(EMCP)にも導かれる。そこで、EMCP上の酵素遺伝子を相同組換えにより破壊した。その結果、破壊株ではメタノール生育能を欠失したため、これを相補するために、C_1化合物を固定するための酵素遺伝子を導入した。しかし、現在までのところ、いずれの組換え株でもメタノール生育能は示していない。 2)PHA分解酵素遺伝子では、depA、depBの二つが同定されているが、相同性検索の結果、さらにもう一つの遺伝子(depCと命名した)も分解酵素をコードしていることが予想された。そこで、これら三つの遺伝子の単独破壊株、二重破壊株、三重破壊株を先と同様に構築し、これらをメタノールを単一炭素源として培養した。その結果、予想に反していずれの破壊株でもPHA蓄積、生育能ともに宿主株と優位な差はみられなかった。
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