2012 Fiscal Year Annual Research Report
植物遺体食性土壌動物とその排泄物顆粒の微生物生態系と腐植化に関連する細菌の研究
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21780084
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
飯田 敏也 独立行政法人理化学研究所, 微生物材料開発室, 専任研究員 (30321722)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | Armadillidium vulgare / 細菌群集 / 土壌動物 |
Research Abstract |
Armadillidium vulgare排泄物 (以下Avf) の細菌群集の経時的な変動を解析した。排泄後二日以内のAvfと、それを0.16 mmメッシュナイロンシートに包んで土壌に埋設またはシャーレ内に静置し7日及び21日経過したもの、サクラ落葉及び土壌を検体とし、これらより単離したDNAを鋳型として増幅させた16S rRNA遺伝子をGS Juniorによるシーケンス解析に供した。解析プログラムMothur処理後に得られた51245配列の解析の結果、A. vulgareによる落葉摂食と排泄の過程で細菌の多様性の低下が示された。採取直後のAvf検体と比較して、シャーレ内静置Avf検体に大きな変化は見られなかったが、土壌埋設Avf検体では細菌の多様性の経時的な増大が見られた。各検体で特徴的に優勢化していた菌種 (Class) は、土壌ではAcidobacteria、落葉ではSphingobacteriia、採取直後のAvfではGammaproteobacteriaであったが、土壌埋設Avf検体ではSphingobacteriiaやDeltaproteobacteria、Verrucomicrobiaの存在比が増大し、Gammaproteobacteriaの存在比が大幅に低下した。土壌埋設処理によって存在比が増大した菌種は排泄物中での増殖が示唆されることから、排泄物に含まれる有機物分解への関与が考えられた。一方存在比を低下させた菌種は、A. vulgare腸内環境で増殖できるが、体外排出後の排泄物中では利用可能な有機物が限定的であると推察された。A. vulgareの中腸腺共生細菌と推定される2菌種の配列存在比は、採取直後のAvf検体で優勢であったものの、時間経過により存在比を急減させたことから、これらが排泄物環境中で増殖困難であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)