2009 Fiscal Year Annual Research Report
発光タンパク質シンプレクチンの活性酸素錯体による発光誘発機構に関する研究
Project/Area Number |
21780111
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
久世 雅樹 Nagoya University, 物質科学国際研究センター, 助教 (40335013)
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Keywords | 生物発光 / 発光素子 / 発光タンパク / 活性酸素 |
Research Abstract |
[内容] デヒドロセレンテラジン(DCL)と活性酸素で発光する生物発光について、 (1)活性酸素錯体によるトビイカ発光タンパク(シンプレクチン)の発光誘発機構の解明と、(2)シンプレクチン以外のDCLで発光するタンパクを探索する2点について研究を実施した。 [成果] 1 シンプレクチン以外の発光タンパクであるヒカリカモメガイの発光タンパク(フォラシン)もDCLで発光することを証明し、実際に天然フォラシンよりDCLを抽出・単離することに成功した。この結果が引き金になって、英国の研究者と活性酸素による発光開始機構解明のための共同研究がスタートできた。 2 フォラシンにはDCLが共有結合していると予想している。それを証明するための分子プローブの合成に取り組んだ。グリシンと無水酢酸という安価な出発原料からDCLアナログを種々供給できる化学合成ルートが確立できた。 3 活性酸素種による発光開始機構をリアルタイムに追跡するために臭素化DCLを合成し、それを用いて再構成したフォラシンは次亜塩素酸による発光誘発において特徴的な発光パターンを示すことを明らかにした。 [意義] フォラシンは活性酸素種の診断キットとして市販されていたが、基質構造が不明であったのであまり利用されていなかった。本研究成果により幅広くフォラシンが利用可能となった。
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