2009 Fiscal Year Annual Research Report
周波数変調信号を用いた水産有用魚の音響反射特性の基礎研究
Project/Area Number |
21780193
|
Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
今泉 智人 Fisheries Research Agency, 水産工学研究所 漁業生産・情報工学部, 研究支援職員 (30516373)
|
Keywords | 広帯域 / ターゲットストレングス / 較正 / ターゲットストレングススペクトラム |
Research Abstract |
本研究では魚の広帯域散乱情報を測定し、種識別のための情報量を増加させ、音響を用いた資源量調査の高度化を目指す。魚の広帯域散乱情報を測定する上で、新たなシステムの構築が必要であった。そこで21年度は、システム構築とその較正方法の確立を行った。 それまで送波と受波を別々の送受波器で行っていたが、測定誤差をなくすために送波と受波を一体化させたシステムを構築した。次に較正方法は、径の異なる2つの金属球を用いた。広帯域システムの較正方法は、水面反射を利用したり、大型で中空の金属球を用いた方法、径の異なる複数の金属球を用いる方法などがある。本研究では実際の海上での運用を考え、従来の計量魚群探知機の較正方法を応用した方法を採用した。金属球の散乱特性は、理論的に広帯域散乱特性を求めることができる。また、反射に指向性が無いので、較正に使用する対象として適当である。2つの金属球の広帯域音波を用いた反射波と理論値を比較し、水槽内、海上においてシステムの較正を行えることを確認した。 また、実験的に4魚種(マダイ、マアジ、マサバ、マイワシ)の広帯域散乱特性を測定した。魚からの音波の散乱は、魚の姿勢により大きく変動するのが知られている。そこで、魚の姿勢角を変化させ、広帯域散乱特性のパターンを測定した。魚への4魚種の広帯域散乱パターンは、個体差は少なく、魚種間での差が大きかった。また、標形状と魚体形状を用いて広帯域散乱パターンの理論値を算出したところ、散乱のほとんどが、標から得られるのが判明した。これらのような魚の広帯域散乱情報は、種識別のための基礎情報の増加に資することを確認した。
|
Research Products
(2 results)
-
-
[Presentation] Broadband frequency characteristics of echoes from Japanese sardine (Sardinops melanostictus) compared with three other fish species (red seabream ; Pagrus major, Japnese jack mackerel ; Trachurus japonicus, chub mackerel ; Scomber japonicus)2009
Author(s)
T.Imaizumi, K.Sadayasu, K.Abe, K.Ishii, T.Suga, T.Akamatsu, I.Matsuo, M.Ito, Y.Wang, Y.Nishimori, K.Amakasu
Organizer
アジア水産音響学会
Place of Presentation
台北
Year and Date
20091109-20091110