Research Abstract |
本研究では魚の広帯域散乱情報を測定し、主識別のための情報量を増加させ、音響を用いた資源量調査の高度化を目指す。平成22年度は、前年度得られた結果を検討するために、麻酔をかけた魚(マダイ,マサバ,マイワシ,マアジ)の広帯域散乱を測定した。さらに軟X線を用いて,鰾と魚体形状を測定した。既存の音響散乱モデルを広帯域対応させたモデルを開発し、測定した魚体、鰾形状を音響散乱モデルに適用し、理論的な広帯域音響散乱特性を計算した.マアジ,マイワシは,音響散乱モデルと実測値がよく一致し,傾向も似ていたが,マサバ,マダイに関しては,理論値と実測値が一致しなかった.これは,頭骨等、他の音響散乱体の影響を大きく受けていることが推測され,現在内部構造を反映したモデルでの検討を行っている.また,新たなモデルの構築に当たり,年度末に日本大学の協力を得て,CTスキャンを用いた活魚の測定を行った。鰾形状従来の軟X 次に海上では,魚種の確認を行うために,漁礁モニタリングカメラを改造し,ほぼリアルタイムでの魚種確認を行えるようにした.本結果では,魚種だけでなく,魚の遊泳姿勢角,サイズといった情報を得ることが出来た.同時に広帯域散乱特性も取得した.これらの広帯域散乱情報と,正解である魚種,サイズ,姿勢角を光学データを用いて確認する新たな手法を開発した.光学データの取得方法に関しては,まだ問題点(光取り入れ量の調整,ピントの自動調整設定等)があるが,基本的な識別のための発展的調査手法を開発した.
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