2010 Fiscal Year Annual Research Report
海洋性乳酸菌を用いる未利用バイオマスの利用法開発に関する研究
Project/Area Number |
21780199
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
糸井 史朗 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (30385992)
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Keywords | 海洋性乳酸菌 / キチンオリゴ糖 / Lactococcus lactis subsp. lactis / バイオプラスチック / 乳酸 / 未利用バイオマス |
Research Abstract |
本研究は、セルロースに次ぐ生産量にもかかわらず利用割合の低いバイオマスであるキチンを効率よく利用する方法の開発を目的としている。これまでに、由来源の異なるLactococcus lactis株が単糖(N-acetyl-D-glucosamine)のみならず、2~6糖のキチンオリゴ糖を基質として乳酸発酵を行うことが可能であることを明らかにした。そこで今年度は、まず、由来源の異なるLactococcus lactis株間におけるキチン関連糖を基質とした場合の発酵能の違いについて調べた。培養液に1%の2糖を基質として添加し、生成されるL-乳酸の量を測定した結果、チーズスタータ由来のL.lactis subsp. lactisおよびL.lactis subsp. cremoris、および淡水魚由来L.lactis subsp. lactisなと比較して、海産魚由来L.lactis subsp.lactisでは3.5~4.4倍と有意に高かった。また、基質の糖構成(単糖~6糖)が海産魚由来L.lactis subsp. lactis株の発酵能に及ぼす影響について調べた結果、構成糖の増加に伴い生成乳酸量が減少することが明らかとなった。特に4糖~6糖では、生成乳酸量がきわめて少なかったため、産業利用には単糖~2糖を基質とすることが必要であると考えられた。また、これまでに高いキチナーゼ活性を有するVibrio proteolyticusから単離した生成糖が2糖であることが明らかとなっており、当該生成糖を海産魚由来L.lactis subsp. lactisの有用な発酵基質として産業的に利用可能であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)