2009 Fiscal Year Annual Research Report
GISとGPSを用いた圃場分散型コントラクタの空間分析
Project/Area Number |
21780217
|
Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
西村 和志 National Agricultural Research Organization, 九州沖縄農業研究センターイネ発酵TMR研究チーム, 研究員 (60373247)
|
Keywords | 農業経済学 |
Research Abstract |
近年、都府県においても飼料収穫作業を中心にコントラクタの展開が見られ、100haを越える大規模な組織も存在する。しがし、多くは小区画圃場が市町村域を越えて広域に分散しているケースが多い。そのため、大型収穫機械の作業・移動に間する作業効率の向上が経営収支に大きく影響し、組織運営上の大きな課題になっている。本研究では大型収穫機械を有するコーンコントラクタを対象に空間分析手法を用いて、圃場分散度の把握やネットワーク分析による作業シミュレート、それらの事例間比較を通して作業効率とその改善策を明らかにする。 本年度は5つのコントラクタ(以降A、B、C、D、E)についてGPSロガーによるデータ収集・解析と基盤となるオルソデータの作成か行った。これにより、調査対象コントラクタの収穫期間、実日数、筆数、面積等の概要を把握するとともに、GPSデータとオルソデータから収穫圃場分布図の作成、圃場分散度の把握等を行うことができた。うち、Aについては収穫面積212haのうちほぼ半分がTMRセンターにより圃場情報と利用に関して一元管理されており、収穫も効率よく計画されている。そのためその他一般農家の圃場群と比較して収穫作業効率(圃場間移動効率)が改善されている。同様の効果が利用者間の農地利用調整でも得ることができるか、その他一般農家圃場群についてネットワーク分析(最短移動経路分析)による収穫作業シミュレートを行ったところ、作業効率の改善が予測された。他の4組織についても同様の効果が得られるか、今後GPSデータの収集を続けながら検証を行う。
|