2010 Fiscal Year Annual Research Report
GISとGPSを用いた圃場分散型コントラクタの空間分析
Project/Area Number |
21780217
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
西村 和志 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業耕究センター・イネ発酵TMR研究チーム, 主任研究員 (60373247)
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Keywords | 農業経済学 |
Research Abstract |
本年度はGPSデータ解析用プログラム(ArcGIS対応)の改良・開発と前年度までに収集したGPSデータ(対象作業:トウモロコシ収穫、対象機械:自走式6条ハーベスタ)の解析を中心に研究を行った。解析用プログラムは1)大量・複数GPSデータをバッチ処理的にポイント・ラインデータ化するプログラム、2)ホイール操作で時間経過順にポイントデータを表示するプログラムを開発した。1)により収集したデータを効率的に処理することが可能になり、2)によりポイント・ラインの入り組んだデータについても作業機の動きを正確にトレースすることが可能となった。これらを用いて事例間比較が可能と思われる4組織(以降I、II、III、IV)について作業時間構成の解析や対象圃場群の圃場分散度(圃場群の中心座標からの各圃場の平均距離)の算出を行った。各組織の圃場分散度と圃場間移動時間割合等を(対象面積(ha),圃場分散度(km),移動時間割合(%)でまとめると、1=(74ha,5.2km,20%)、II=(65ha,2.1km,16%)、III=(93ha,1.7km,15%)、IV=(71ha,3.9km,11%)となる。組織I~IIIについては圃場分散度と圃場間移動時間の割合に正の関係が見られ、機械償却費確保のための受託面積・範囲の拡大が全体の作業効率を引き下げてしまう可能性が示唆される。しかし、組織IVについては圃場今散度が比較的高いながらも圃場間移動時間割合は最も低い。組織IVは地理情報システムを活用した構成員圃場情報の管理や事前計画の策定を行う等、I~IIIと比較して組織運営管理が徹底されており、それが作業効率にも影響していると考えられる。今後、これら組織について理論的最短経路での収穫作業をシミュレートした後、組織I~IIIが圃場情報や組織運営管理の向上によりどこまで作業効率の向上を達成できるか等、検証していきたい。
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