2010 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸による骨格筋タンパク質分解抑制シグナル伝達経路の解明
Project/Area Number |
21780256
|
Research Institution | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
Principal Investigator |
中島 一喜 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所・分子栄養研究チーム, 主任研究員 (70370583)
|
Keywords | アミノ酸 / タンパク質分解 / タンパク質分解関連遺伝子発現 / 筋肉細胞培養 / アトロジン-1 / ロイシン / アミノ酸トランスポーター / siRNA干渉 |
Research Abstract |
鶏胚由来の筋肉細胞を用いて、システムL-アミノ酸トランスポーターLAT1 siRNAの導入実験を行った。8種類のLAT1 siRNAを設計し、HiPerFectトランスフェクション試薬を用いて導入を試みたが、LAT1遺伝子発現の抑制効果はみられなかった。また、Lipofectamine 2000トランスフェクション試薬を用いて、LAT1 siRNAの導入を試みたが、LAT1遺伝子発現の抑制効果はみられなかった。次に、Lipofectamine RNAiMAXを用いてLAT1 siRNAの導入を試みた結果、2種類のsiRNAがLAT1遺伝子発現の抑制を抑制した。このsiRNA干渉技術を用い、LAT1 siRNA導入した鶏胚由来の筋肉細胞をロイシン(Leu, 1mM)、グルタミン(Gln, 1mM)または両方を含む緩衝液で2時間培養した結果、タンパク質関連遺伝子であるアトロジン-1発現はLeu添加により減少し、Glnでは影響は見られなかった。LeuとGlnの同時添加によりアトロジン-1発現の抑制効果は大きくなった。一方、LAT1 siRNAの導入によりアトロジン-1発現は減少し、LeuならびにGlnの影響はみられなかったが、LeuとGlnの共存下ではアトロジン-1発現は回復した。また、LAT1発現はLeu存在下で増加し、siRNAの導入によるLAT1の発現抑制に対しては、アミノ酸の影響はみられなかった。以上の結果から、筋肉においてアミノ酸トランスポーターを介してアトロジン-1発現は制御されている可能性が示唆された。
|