2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21780274
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 剛 Kyoto University, ウイルス研究所, 助教 (90324847)
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Keywords | デングウイルス / サルモデル |
Research Abstract |
本研究は遺伝子操作系技術(リバースジェネティクス系)を駆使することによって作出した組換えデングウイルスならびにサル初代細胞・個体間で継代を行い、サルに順化したウイルスを用いて、デング熱・出血熱発症モデルの開発を目的としている。平成21年度は、本研究課題を遂行するため、以下の研究を実施した。 1) リバースジェネティクス系を用いた組換えデングウイルスの作出 デングウイルスのリバースジェネティクスはin vitroで合成したウイルスRNAを細胞内に導入することにより組換えウイルスを作出する系(RNA-based system)が一般に使われている。従来法と比較して、効率の高いリバースジェネティクス系を開発するため、細胞内にウイルスcDNAを導入することにより組換えウイルスの作出が可能なplasmid-based systemの開発を行っている。現在、組換えウイルスの作出効率について検討している。 2) ヒトおよびサルにおけるウイルス増殖・病原性の検討 デングウイルスの主な標的細胞であるマクロファージにおけるウイルス増殖能を検討するため、ヒトおよびサル血液から単球由来マクロファージ(MDM)を調整し、解析を行った。その結果、ヒトMDMではデングウイルスは効率に複製することが確認されたが、サルMDMにおいては、ウイルス複製は非常に低いことが明らかとなった。サルMDMにおけるウイルス感染性を増加させるため、抗体依存性増強作用による感染実験系の確立を行っている。また、ヒトとサルMDMでは異なるウイルス感染性を示すことから、ウイルスエントリーに関わる宿主因子等の比較解析についても行っている。
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