2009 Fiscal Year Annual Research Report
高病原性鳥インフルエンザ感受性に果たす宿主サイトカイン応答の役割
Project/Area Number |
21780275
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
笛吹 達史 Tottori University, 農学部, 助教 (80508482)
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Keywords | 高病原性鳥インフルエンザ / サイトカイン / リアルタイムPCR法 |
Research Abstract |
本研究は高病原性鳥インフルエンザウイルス感染に対する鳥類宿主の免疫応答の解析を通じ、鳥種による病態の違いやそれに関わる免疫要因、生態学的意義を解明することを目的とする。そこで、野外でインフルエンザウイルスの宿主となる家禽(ニワトリ、アヒル、ウズラ等)を対象に、高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染実験を行い、サイトカインなど免疫関連遺伝子のmRNA発現動態を評価することとした。はじめに、代表的な家禽であり、高病原性鳥インフルエンザ発生時において最も損失規模の大きいニワトリについて、リアルタイムPCR法によるmRNA定量系を構築した。すなわち、既報のプライマーあるいはデータベースに登録された遺伝情報をもとに設計したプライマーを用い、各種サイトカイン遺伝子を組換えたプラスミドより標準試料を調製した。これまでにインターロイキン(IL)2、4、8、10、12、インターフェロン(IFN)α及びγについて、正常ニワトリの脾臓細胞、末梢血単核球、肺組織、脳組織などを用いて予備的な定量試験を行っている。 次いで、昨年、鳥インフルエンザが発生したウズラのサイトカイン遺伝子について定量系の構築を試みた。ウズラの免疫関連遺伝子の多くは未報告であったため、はじめにウズラ遺伝子の一部塩基配列を決定し、リアルタイムPCR用プライマーの設計に用いた。これまでにIL4、6、8、10、12b、13、18、及びTLR7遺伝子の一部塩基配列を決定し、遺伝情報が既知であったIL2、IFNα、γと併せて定量系を構築した。今後、水禽であるアヒルについても同様の定量系を構築するとともに、感染実験に用いるウイルス株の選定を行う予定である。
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Research Products
(1 results)