2009 Fiscal Year Annual Research Report
腸内細菌叢の確立がカンピロバクターの鶏盲腸定着に及ぼす影響とその要因
Project/Area Number |
21780279
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
岡村 雅史 Kitasato University, 獣医学部, 講師 (70374775)
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Keywords | Camnylobacter jeiuni / 日齢 / 移行抗体 / VBNC / 増菌培地 |
Research Abstract |
Campylobacter jejuni汚染鶏肉に関連する食中毒事例が国内外で頻発している。一般的に、C. jejuniは3週齢前後の鶏群から検出され始め、7-8週齢での出荷時には鶏群内汚染率約100%に達するが、それ以前の日齢における定着はほとんど起こらない。本研究では、C. jejuni定着感受性に対する鶏の日齢の影響を明らかにする。また、この現象を3週齢前後に起こる腸内細菌叢の確立による盲腸内環境の好気性から嫌気性への変化とも関連づける。 実験1. C. jejuni定着と移行抗体の有無 ある孵卵場へ種卵を出荷している種鶏場から血清サンプルを入手し、ELISAによる抗カンピロバクター抗体検査を実施した。さらに、コマーシャル農場へひなを出荷している孵卵場で入手した虚弱ひな体内から採取.保管しておいた遺残卵黄についても同検査を実施した。その結果、100倍希釈した種鶏の血清抗体(IgG)レベルは、実験感染鶏由来陽性対照血清レベルと同様に高かったため、抗カンピロバクター抗体を保有していると考えられた。次に250倍希釈した遺残卵黄のIgGレベルも陽性対照と同様に高かった。 実験2. 体内外におけるVBNC状態のC. jejuniの検出 鶏由来検体からのC. jejuniの分離培養法は、いまだスタンダードと呼べるものが確立されていない。そこで、VBNC菌の検出に先立ち、一般的な培養法を数種の増菌培地を用いて比較し、最も増菌効率の高い培地の選択を検討した。非感染鶏由来糞便に3段階のドーズのC. jejuniをスパイクし、その後の分離率を比較したところ、ボルトンおよびプレストン培地の高い増菌効率が示された。現在、PCRを用いた検査結果と比較を行っている。
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