2011 Fiscal Year Annual Research Report
腸内細菌叢の確立がカンピロバクターの鶏盲腸定着に及ぼす影響とその要因
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21780279
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
岡村 雅史 北里大学, 獣医学部, 講師 (70374775)
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Keywords | カンピロバクター / 日齢 / 腸内細菌叢 / 鶏 |
Research Abstract |
農場でのCampylobacter jejuni(CJ)検出率は2-3週齢以降の鶏群において急激に上昇することが知られており、我々はその要因として、加齢にともなう腸内細菌叢の発達に着目してきた。前年度の研究成果から、実験的に腸内細菌叢を早期に定着させた鶏群では、無菌的に孵化・発育させた鶏群よりもCJの定着が妨げられ、当初の仮説を支持しない結果が得られた。そこで本年度は、日齢の他に接種菌の作製法が鶏感染試験におけるCJの体内動態に影響を及ぼす可能性を検証した。 (実験4)寒天培地上に発育したコロニーをPBSで回収した菌液(a)あるいは直接液体培養した菌液(b)を作製した。接種菌aを4日齢に接種した群(4a群)および接種菌bを4日齢に接種した群(4b群)では、それぞれの菌液を2-3週齢以降に接種した群よりも有意に低いCJ定着が認められた。すなわち、CJは4日齢よりも2~3週齢以降の鶏において感染後早期に腸管に定着することがわかった。さらに、4a群では4b群よりも腸管定着が顕著に低く、CJはaの条件下では腸管定着に至るのに長い時間を要することが明らかとなった。したがって、接種菌の作製法はCJの腸管定着に影響を及ぼすことが確認された。 (実験5)aおよびbのCJの遺伝子発現の状態をDNAマイクロアレイにより比較し、その後のin vivoにおける定着性に影響を及ぼす因子をスクリーニングした。その結果、aの状態ではbの状態よりも細胞膜構成成分や細胞の遺伝子発現が顕著に低下していた反面、触媒活性や抗酸化活性といった分子機能に関連する遺伝子発現は上昇していることが明らかになった。これらの遺伝子発現が、直後の腸内定着に影響するものと考えられる。 実際の農場において、CJはaに近い形態で存在していることが強く推察され、日齢や腸内環境以外の要因も農場での菌の動態に強く寄与しているものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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