2010 Fiscal Year Annual Research Report
C1導入を伴うスズフリーラジカルプロセスによる生理活性複素環構築手法の開拓
Project/Area Number |
21790013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 健一 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (00335184)
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Keywords | ラジカル / C1単位 / 生理活性物質 / 複素環構築 / 環境調和 |
Research Abstract |
我々がこれまで行ってきたジメチル亜鉛を開始剤として用いるエーテルラジカルの発生、及び反応開発の成果を礎として、我々の見いだしたスズを用いない温和なアシロキシメチルラジカルの発生法の適用範囲を拡大し、合成化学的有用性を向上させることを目的とし、昨年度は以下の成果をあげた。 1)メチル亜鉛を開始剤としてヨードメチルエステルから発生させたアシロキシメチルラジカルをアルキリデンマロネートに共役付加させたところ、β位がアシロキシメチル化されただけでなく、α位もヒドロキシメチル化された生成物が収率良く得られることを見いだした。 2)上記反応をアルゴン雰囲気下で行なうと、α位のヒドロキシメチル化が抑制され、β位のアシロキシメチル化だけが進行した生成物が主生成物として得られることを見いだした。 3)トリエチルボランを開始剤としてヨードメチルエステルから発生させたアシロキシメチルラジカルをN-アルコキシカルボニルイミンへ付加させたところ、アシロキシメチル基が付加したカルバマートだけでなく、イソシアナートが副生成物として得られることを見いだした。イソシアナートの生成はプロトン源の添加、もしくは反応温度を低下させることによって抑制できることを見いだした。また本反応においてN-トシルイミンよりもN-アルコキシカルボニルイミンの方がより良いラジカル受容体として働くことを見いだした。 4)N-ヨードメチルイミドから発生させたイミドメチルラジカルのイミンへの付加反応を検討した結果、81%収率にて付加体を得ることに成功した。本反応でも、N-トシルイミンよりもN-アルコキシカルボニルイミンの方がより良いラジカル受容体として働くことが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)